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知っておきたい「保険」の話 ~ご主人がもしもの時に受け取れる国の年金額は?

ご主人がもしもの時に受け取れる国の年金額は?

お子さんが生まれたのをきっかけに、生命保険に加入をしたり、加入中の保険の内容を見直すご家庭も多くいらっしゃいます。万が一のときに役立つ保険は、死亡保障以外にも色々な準備ができますが、心配をするとキリがありませんし、その分毎月払う保険料も多くなっていきます。万が一ご主人が亡くなった場合には国から「遺族年金」が受け取れますので、その額を確認・把握をしたうえで死亡保障を準備すれば効率的だといえます。死亡保障に限らず保険に加入をするときには、このように国などからどれくらいの額が受け取れるのかを考えてから加入をすることが大切です。

ご質問にある「遺族年金」には、遺族の家族構成や年齢によって受け取れるかどうかの要件があります。

すでにご存知の方もいらっしゃると思いますが、もう一度一緒に確認をしていきましょう。

まずは「遺族基礎年金」から。こちらは受け取れる遺族の要件が「子のある妻」または「子」となっています。お子さんがいるお母さんや、お母さんがいないお子さん本人が受け取ることができます。ここでいう「子」とは、「18歳到達年度の末日を経過していない子」つまり、高校3年生までのお子さんということになります。ですので、大学生以上のお子さんを持つお母さんや、お子さんのいない奥さまなどは「遺族年金」を受け取ることができません。

受け取れる額についてですが、平成25年9月までは「年額786,500円+子の加算」となっていて、「子の加算」は第1子と第2子については各226,300円、第3子以降は各75,400円となっています。

例えば、お子さんが2人いるお母さんの場合には、

・上のお子さんが高校を卒業するまで:786,500+226,300+226,300=年額1,239,100円

・下のお子さんが高校を卒業するまで:786,500+226,300=年額1,012,800円

・下のお子さんが高校を卒業後:遺族基礎年金の支給無し

となり、お子さんの年齢によって毎年受け取れる年金額が変わっていきます。

つぎは「遺族厚生年金」についてです。こちらはご主人が会社員の場合に受け取れる年金となります。公務員の方については、この厚生年金にプラスして「職域年金」というものが受け取れます。

今回は会社員の方についての説明をしていきます。

受け取れる額についてですが、厚生年金に加入していた期間中のお給料の平均額や加入月数によって計算をする式があるのですが、いちいち計算するのは面倒ですし、これまでのお給料の額の平均を調べることもできないと思います。

ただこちらについては、簡単に計算できる方法がありますのでご紹介をしていきます。

平成21年度より、毎年お誕生日の月に「ねんきん定期便」が届くようになったと思います。こちらには、今まで払った年金保険料に対して、「仮に今時点で受け取ったとした場合の」老齢年金額、つまり退職後に受け取れる年金額が記載されているのですが、こちらに記載されている数字を利用して、今亡くなった場合に受け取れる「遺族年金」の額を計算することができます。

お手元に「ねんきん定期便」を用意しながらお読みになってくださいね。

よろしいでしょうか?

色々と金額や数字が書いてありますが、その中の「2.これまでの加入実績に応じた年金額」という欄を見てください。その欄の「(2)これまでの加入実績に応じた老齢厚生年金額」の右側に、年額○○円と金額が書いてあると思います。

この金額は、「これまで払った年金保険料に対して、仮に今受け取ったとした場合の老齢厚生年金額」なのですが、この金額に3/4を掛けた金額が、今時点で亡くなった場合に受け取れる「遺族厚生年金」の額となります。

ただ、厚生年金に加入している年数が短いとここの金額も少ないと思います。「遺族厚生年金」の場合には、厚生年金の加入月数が300ヵ月(25年)未満の場合、300ヵ月加入をしたとして計算をします。

例えば、厚生年金の加入期間が15年(180ヶ月)だった場合、さきほど3/4を掛けた金額に、さらに300/180を掛けてあげます。これが毎年受け取れる「遺族厚生年金」の額となります。

「遺族厚生年金」については家族構成やお子さんの年齢などによって受け取れる要件はありませんので、この金額が、お母さんが亡くなるまで受け取れる金額となります。

この2つの「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」を合わせた額が、毎年受け取れる遺族年金の額となります。多いでしょうか?少ないでしょうか?ほとんどの方の場合、少ないと感じるのではないでしょうか。この金額で足りない部分を、民間の生命保険などでカバーをすることになります。

話はここで終わらずに、「遺族年金」にはまだ続きがあります。「遺族厚生年金」を受け取れるお母さんに限られるのですが、お子さんが高校を卒業してしまうと「遺族基礎年金」を受け取ることができなくなり、毎年の年金額が少なくなってしまいます。そのため「中高齢寡婦加算」というものがあり、「遺族基礎年金」を受け取れなくなった後、65歳になるまで毎年589,900円を受け取ることができます。

65歳になった後は、「遺族年金」に加えて、お母さんご自身の「老齢年金」を受け取ることができます。こちらについては、65歳までに会社員として働いた期間によって、それまで受け取っていた「遺族厚生年金」の額が多いか、ご自身の「老齢厚生年金」の額が多いかを選択できますが、正社員として長い期間働かない限り、「遺族厚生年金」を受け取ったほうが有利となります。

このようにご自身やお子さまの年齢によって、受け取れる年金の額や種類が変わってきます。あまり縁起の良いことではありませんが、一度ご自身のご家庭にあてはめて計算をしてみてはいかがでしょうか。

なお今回お伝えしたのは一般的な受取方法です。遺族年金には他にも細かい規定がありますので、それぞれのご家庭によってあてはまる場合とそうでない場合がありますので、その点だけご了承ください。

澤田 朗

執筆:澤田 朗  (FP事務所「FP EYE」代表)

昭和46年生まれ 東京都出身  2005年より生命保険や住宅ローン等、ライフプラン全般にわたるアドバイスを各家庭に行い、生命保険では現在まで約800人・延べ2,100枚以上の保険証券を分析し、適切な加入方法や見直しのコンサルティングを行っている。

 

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